卵とコレステロール
コレステロールが高いので卵は控えましょうと医者に言われた経験がある人は多いので はないでしょうか?このことは食生活を考える上で大きな問題を残していると思います。ガンの患者さんの中でコレステロール値が低い方、またコレステロール値が高くてコレステロールを低くする薬を飲んでいる方が目立ちます。
このことを解明する、低コレステロールとガン死亡率とが関係するという臨床データ(日本脂質介入試験)があります。これはコレステロールを抑える薬を服用中の5万人を超える人を6年間追跡調査したものです。(http://www.nichirankyo.or.jp/kenko/index.htm)これによると総死亡数は200~280mg/dlが一番少なく、ガンについてだけみると、コレステロールが高ければ高いほどガンの死亡者は少なくなっています。180mg/dl未満のガンの死亡者は280mg/dlの5倍という結果です。
なぜコレステロールールが悪玉になったのかは、80年前のロシアのデータから答えを得ることができます。ウサギに卵黄を加えた動物性食品を与えたところ、大動脈にコレステロールが沈着して動脈硬化が起きたことに由来します。コレステロールを食べない草食動物のウサギがコレステロールを食べると、コレステロールのコントロールが出来なくなり、そのまま動脈に沈着してしまったわけです。
しかし人間はコレステロールを食べても、体内で作るコレステロールの量を加減していきますから急にコレステロールが上がることはありません。私達は1日400mg~1600mgのコレステロールを必要としますが、そのうち80%を肝臓など体内で合成し、食べ物からは20%ほど摂取しています。コレステロールは必要不可欠な脂質で、細胞膜を作る構造脂質です。
コレステロールが少なくなると細胞膜が不安定になり、遺伝子に正確な情報が伝わらなくなり、このことがガン化につながるとも言われています。また脂肪の消化に必要な胆汁酸や性ホルモン、副腎皮質ホルモンの原料としても大事な役目を担っています。脳内物質セロトニンの代謝にも関係し、コレステロールが少ないと精神的に不安定になり、興奮したり、うつ状態になったりしやすいといいます。
血中のコレステロールは大きくLDLコレステロールとHDLコレステローに分けられます。LDLは肝臓から血管など体の各組織に必要なコレステロールを運び、HDLは余分なコレステロールを肝臓に運ぶ役目をします。LDLを悪玉、HDLを善玉と呼んでいますが、どちらも必要なコレステロールなので、こうした呼び方はやめようとする動きがあります。LDLはタンパク質、レシチン(リン脂質)が少なく、比重が低く、分子が大きいのに対して、HDLはタンパク質、レシチンが多く、比重が高く、分子が小さくなっていて、容易に血管から通り抜けて肝臓に運びやすくなっています。卵はタンパク質、リン脂質が多いのでHDL型といえます。
1日2個の卵を食べるとよいでしょう。生は消化が悪く、ビオチンの働きを阻害する、原虫がいることなどが考え
られるため、必ず熱を通して食べることが肝心です。HDLを増やすにはビタミンE、ニコチン酸、パントテン酸、適度な酒、適度なスポーツがよいとされています。またLDLを減らすにはビタミンC、ニコチン酸、タウリン、レシチン、不飽和脂肪酸が必要です。これらのことを日々の生活の中で積極的に取り入れるとよいでしょう。
町田 久










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