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免疫力を高める

 「セラリキッド」はすべて天然の成分で作られています。このベースオイルに精油を1%ほど混ぜたオイルを塗ってマッサージを行います。それで香りとマッサージによる相乗効果が期待できます。配合する精油は患者さんの症状によってちがいます。(図A参照)

Course of Neutrophil Accumulation(図A)

Ceraoil_neutrophil_3

 例えば「ゼラニウムロザ」という精油には免疫力を高める働きがあります。その効果を調べるのに好中球の集積作用をみた実験があります。ゼラニウムロザをいろいろな濃度に薄めて匂いを嗅いでもらい、好中球の集積度合を調べたものですが、6μgの濃度より1.2μgのほうが好中球の集積作用は高かったのです。

精油を投与(空気吸入)した時のマクロファージ誘導活性(図B)

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 ところで、マクロファージの活性は免疫力の重要な指標になります。そこでいろいろな精油を嗅いでもらい、マクロファージの誘導活性を調べたところ、最も高かったのはグレープフルーツでした。ユズの精油にも同じくらいの効果がありました。(図B参照)

 一方、精油をベースオイルに混ぜてマッサージをしたときの誘導活性では、ジェニパーとゼラニウムが最も高い活性を示しました。そこで私のところではガン患者さんの場合には、マッサージ用の精油としてはゼラニウムロザを用い、ふだんはグレープフルーツかユズの精油の香りを嗅いでいただくという方法をとっています。

 また、「ルラクサン」(レモングラス、ネロリ、マンダリンの精油の混合)には、交感神経の興奮を鎮める働きがあり、ストレスで神経が高ぶっているときなどに効果的です。

鎮静・鎮痛・睡眠効果

 これまで述べたように精油にはいろいろな作用がありますが、その働きや程度は植物の種類によって異なります。アロマセラピーで使用される代表的な精油を用いて、それぞれどのような作用に長けているかを研究したデーターがあますので、最後にそれを紹介します。

① 鎮静効果

 ネズミは興奮するとよく動き回ります。まず1分間にどれだけ動いたかを調べ、それから精油の香りを嗅がせ、どれだけ動く回数が減ったかで鎮静効果を調べました。その結果、ラベンダー、カルマン、オレンジ、カモミールなどには鎮静効果がありました。

 逆に、ジェニパー、マジョラム、ゼラニウムなどは興奮作用を示しました。気分が落ち込んだときは、こちらの香りを嗅ぐとよいでしょう。その時その時の状況に適した香りを嗅ぐことが大切です。

 少し余談になりますが、精油はドーピング(スポーツ選手などの薬物検査)に引っかかりません。これはテストの結果、明らかになっています。日本中央競馬会で馬のマッサージに「セラリキッド」が導入されることになったのですが、そのとき検査したところ、馬から薬物反応は検出されなかったのです。巨額の金が動く競馬ですから、怪しげなものは使えません。

 サッカー、その他のスポーツでも、ジェニパーやゼラニウムなどの精油を、手首のリストバンドにしみ込ませておき、ときどき嗅ぎながらプレーする選手が増えてきています。

② 鎮痛効果

マウスに痛み物質を注射すると、痛さのあまりマウスはライジング行動(引っかき行動)をとります。その回数を測っておき精油を嗅がせて、それがどれだけ減るかで鎮痛効果を調べます

精油の鎮痛効果










Raizing_2

 その結果、なんとジェニパーはほぼ完全に痛みを抑えたのです。痛み物質を注入してもマウスはほとんどライジング行動をとりませんでした。ラベンダーにも同程度の効果がありました。

 もう一つ、“カルマン”にも優れた鎮痛効果があります。これは南米のコパイバという木の樹皮から抽出した精油です。フランスのドクターたちは首に塗って、頭痛、肩こり、不眠などによく使っています。私も皆さんによくお薦めしており、関節痛、神経痛、リウマチ、ガンの末期などの痛みを和らげるのに効果があります。

③ 睡眠効果

マウスに睡眠薬を投与すると、仰向けになって寝てしまします。その睡眠時間が、精油を嗅がせることによってどう変化するかを調べ睡眠効果を比較しました。その結果やはりジェニパーやラベンダーに優れた睡眠効果がありました。

 中国の北京市で出産数が一番多い大きな産婦人科医院をやっている仲間がいます。そこでは赤ちゃんが生まれると、1週間、ベビーマッサージを行ないます。赤ちゃんは寝つくのに普通は20分くらいかかりますが、薄いラベンダーの精油でマッサージをすると、平均7分で寝てしまいます。それだけ睡眠効果があり、睡眠時間も長くなります。

④ 殺菌効果

黄色ブドウ球菌に対する殺菌効果を調べるテストでは、シャーレの底一面に細菌を塗り、その中央に精油を垂らして48時間置き、細菌がどのくらい死滅するかを調べました(直接殺菌効果)。

 また、シャーレの底には精油を垂らし、蓋(内側)に細菌を塗っておき、揮発した精油成分がどれくらい細菌を死滅させるかも調べました(間接殺菌効果)。

 その結果、いずれの場合でも、殺菌効果が強いのはティートリーやモミの木の精油で、ラベンダーはあまり殺菌効果が強くないことがわかりました。

シャーレ裏返し法 結果

Seiyu_2

⑤ 火傷治癒作用

ネズミに火傷を負わせ、それが精油を1日1回塗布することによって、どのように治り方が違うかを調べました。その結果、最も火傷の治りが早かったのはゼラニウムで、次いでラベンダーの順でした。

 すなわち、皮膚に対する効果が高いのはゼラニウムやラベンダーで、肌にハリを与えたり、シミやシワをとるには、これらの精油の匂いを嗅いだり、マッサージに用いたりするのが効果的といえます。

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