妊娠に必要な栄養学

妊娠に必要な栄養素は充分なタンパク質、ビタミンE、ビタミンC、セレン、亜鉛だと言えます。ここではビタミンEの必要性について説明いたします。

ビタミンEの化学名はトコフェロール、これは〝出産の力を与えるアルコール〟という意味です。トコフェロールには、α、β、γ、δと4種類ありますが、普通αトコフェロールのことをビタミンEと呼び、抗不妊作用においても効果の差が大きく出ます。

排卵がなければ妊娠しません。排卵は脳下垂体前葉から卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンなどの性腺刺激ホルモンの分泌があって起こるものです。

それらの刺激ホルモンは卵巣に運ばれて卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)を作り、卵胞ホルモンは黄体のもとである卵胞に注がれ、卵胞は卵子を抱え、子宮内膜を肥厚させ、血管網を発達させて卵子を発育させていきます。

2週間ほどで卵胞ホルモンはあふれ、脳下垂体前葉に働きかけ卵胞刺激ホルモンの分泌を止め、黄体形成ホルモンを分泌、黄体ホルモンは子宮内膜を維持させ、生殖腺の活動を活発にさせます。

また精巣ホルモン(テストステロン)は黄体形成ホルモンの刺激を受け、精子の数を増やし、精液の重要な成分を分泌させます。

ビタミンEは脳下垂体、睾丸に高い濃度を保っています。そして黄体ホルモンの補酵素として必要です。このようにビタミンEが不足すると妊娠に関わる全ての代謝が低下します。妊娠には男女ともにビタミンEがキーポイントになります。

ここに問題がいくつか出てきます。ビタミンEは小腸から吸収し、肝臓に運ばれますが肝臓内にはレセプターがあり、αトコフェロールが優先的にレセプターに受け入れられ、αトコフェロールはタンパク質とともに必要なところに運ばれます。ですからαトコフェロールを手に入れるべきです。

また、市販されているものには化学的な処理をしているビタミンEが多くみられます。油かすに酢酸やニコチン酸などでメチル基つけたもので天然型といいますが、どれも天然αトコフェロールと表示しているので見分けがつきません。

このタイプですとトコフェロールがトコフェリールに変わっていますので、体内でトコフェロールに代謝しなければ使えません。ビタミンEは質が問われるということです。1日必要量は天然D-αトコフェロール100150mgです。

もうひとつの問題は脳下垂体前葉からは副腎皮質ホルモンが分泌されていることです。ストレスで副腎皮質ホルモンが大量に作られますと、性腺刺激ホルモンの分泌が抑えられます。

不妊も含めて子宮内膜症など婦人科の疾患にはストレスが大きく関わってきています。ストレスに対抗するためには1日に2,000mg以上のビタミンCが必要です。

(※以上 aromatopia vol.14no.32005より抜粋)

最近では、アロマセラピーを取りいれている産婦人科などのクリニックが増えてきています。ストレスの緩和・ホルモンバランスの調整など、妊婦に対するケアとしても用いられています。

 ビタミンEは脂溶性のビタミンですので、皮膚からの吸収に優れていますので、妊娠を目的として、ビタミンE濃度を高めるために、マッサージで天然ビタミンEを皮膚から吸収させることは有効な方法の一つと言えます。

アロママッサージ

ただし、アロマセラピーで用いる精油(エッセンシャルオイル)、東洋医学で使用するツボには通経作用の高いものがあります。

ご家庭でアロママッサージをはじめとするリンパマッサージなどを妊娠のサポート目的として行う場合、専門のアロマセラピストやアロマセラピーを取りいれているドクターの指導を受けながら注意深く行う必要があります。

ピクノジェノール

イチョウの葉エキスと同じように世界中に普及しているのがピクノジェノールです。フランスボルドーからアカションというリゾート地に出ると西海岸が現れます。その西海岸は砂丘がどこまでもつながっており、風を避けるためにナポレオンが植えた海岸松が連なっています。この松は強い風に耐えるため皮が厚くなっており、その松の皮から抽出されたのがピクノジェノールです。


このピクノジェノールは約40種類のフラボノイドの複合体から作られています。その60%がプロアントシアニジンと呼ばれる強力な抗酸化物質で、酸化物質であるスーパーオキサイドとヒドロキシルラジカルを除去して行きます。また、ビタミンCを還元(リサイクル)して、ビタミンCの働きを高まる効果があります。


ビタミンCは500から1000の代謝に関与しているといわれていますが、このうちコラーゲンの代謝に関わる働きは重要です。コラーゲンは体のタンパク質の三分の一を占めていて、硬骨、軟骨、血管、細胞間組織、皮膚も、その主成分はコラーゲンです。


例えば皮膚に関して言えば、皮膚の角質層に天然保湿成分がありますが、その成分は角質層のコラーゲンにあります。また皮膚を支える真皮層の70%はコラーゲンです。

そして25歳からコラーゲンの代謝は落ちて行きますから、皮膚の老化を防ぐ為にGum14_cl08001_1 はビタミンCによりコラーゲンの代謝を活性化する必要があるのです。


ピクノジェノールのキャッチフレーズは“飲む化粧品”と呼ばれていますが、ビタミンCと作用してコラーゲンの働きを高めるところに由来しているのでしょう。


またピクノジェノールは心臓病を予防出来ると言われていますが、これもビタミンCの働きを高めることでコラーゲンの生成を促し、毛細血管壁を強くし弾力性をつけ、血流をスムースに流し、かつ、血小板の凝集を妨げ、血液凝固を防ぐところからきているのです。


一般にアスピリンが血液凝固の防止、心臓病の予防に使われていますが、長く服用していくと鼻血、皮下出血、胃潰瘍からの出血、出血時間の延長や胃腸障害などの副作用が見られます。


ピクノジェノールは血液凝固を行き過ぎない範囲で作用するため、アメリカなどではアスピリンに変えて副作用が起きないピクノジェノールを使用している人が増えています。アメリカではこの効果での特許を取得しています。

Gum06_ph02034 一方日本では、子宮内膜症、月経痛の特許を取得しています。子宮内膜症は200~300万人の患者がいるといわれ、年齢層も20,30歳代に多くなって来ているようですが、恵寿総合病院産院院長小濱先生はピクノジェノールの服用により、子宮内膜症による月経痛の70%が1ヶ月で改善されたと発表されています。


またCA125という腫瘍マーカーも飲み始めて3ヶ月ほどで改善された症例も報告されています。手術、ホルモン療法でも決め手がない子宮内膜症にピクノジェノールの果たす役割は大きいものがあります。

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2010年掲載記事

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